2010-3-9

【パスナビ】 学費について考える


「大学には合格したんですけど、
 それが、あんまり自分の行きたくない大学なんで、
 やっぱり 浪人しようと思います。
 とりあえず、そこに入学しておいて
 『仮面浪人』 しておくのもアリかな と思ってます…」

この春に高校を卒業するある男子学生から、こんな話を聞いた。
なるほど、場合によってはそういう考え方もあるのかな、とは思った。
しかし、なんだか腑に落ちない。

なぜ 行きたくもない大学を受験したのか、という疑問はさておき、
もっと気にすべきことが、他にあるのではないだろうか。

大学の授業料や入学料は 時代とともにどんどん上がって、
現在では、初年度納付金が100万円以上にのぼる。
(医歯薬系では、初年度納付金が500万円以上にものぼる場合がある。)

ちなみに、国立大学の授業料は現在、53万5,800円、この34年間で14.9倍、
入学料は28万2,000円、同じく34年間で5.6倍になった。
私立大学の授業料の平均は平成20年度で84万8,178円、この33年間で4.6倍、
入学料の平均は平成20年度で27万3,602円、同じく33年間で2.9倍になった。

その他にも、実際の大学生活を始めるためには、さらに多くのお金がかかる。
一方で、たとえ「浪人」するのだって、お金はかかる。
どの選択であっても、一般的な家庭では相当苦しい出費であるはずだ。

もちろん、保護者の負担について しっかりと考えている学生は沢山いる。
この不況も影響して「記念受験」のようなことも減少しているし、
家計まで考えて確実に合格を決めようとする学生が増加しているように感じる。

「…もちろん僕だって、親には悪いなとは思ってますけど…」
と、その「仮面浪人」志望の学生は続けた。

そこで、思い出した。
そういえば、私自身も学生の頃に 彼と同じことを言っていた。
「親には申し訳ないと思っている」 と口にした。
頭の中ではよく状況を理解している …はずだった。

でも 毎日の生活のなかで、「出費」の重みが消えていたときもあった。
ろくに準備もせずに、試験に臨んだ日もあった。
くだらない理由から、大学の講義をさぼってしまった日もあった。
「もし単位が取れなかったら 留年するかも…」 なんて、簡単に言ったこともあった。

いったい、親は どんな想いで大学卒業までのお金を捻出していたのだろう。
体調が悪い日も働き続けていた親について、自分はどれだけ知っているだろう。
通帳の残高を数えては電卓を叩いていた親の姿を、どれほど知っていたというのだろう。

本当に骨の髄まで そのお金についての「感謝の念」 が染みていたかといえば、
正直に言うと、学生時代はそんなこともなかった気がする。


「学費」とは、親にとっては
「将来への投資」なんていう 計算されたものではなく、
きっと言葉にできない、ある種の 「祈り」 にも似たものではなかっただろうか。

でも、そのことについて思い巡らせるようになってきたのは、
自分自身が 当時の親の歳に近づいてきたからなのかもしれない。
だから、いずれ この「仮面浪人」志望の彼にも気づく日が来ると思う。


では、保護者の気持ちで一句…

      合格で 親に涙の ワケ聞くな


『パスナビ for Teachers』では、「学費」についての
旺文社教育情報センターのまとめを掲載しています。
   ▼ ▼ ▼

大学『学費』の“今と昔”





(いけまる)

2010-3-5

【パスナビ】 大学生レポーター募集!


「PDCAサイクル」 という用語があります。
大学や企業の様々な研究やプロジェクトでも使われている用語です。


◆「PDCA(ピーディーシーエー)サイクル」とは…
  もともとは、生産管理や品質管理をスムーズに進めるための手法を示した
  ビジネス用語。
  下の4つの単語の頭文字をつなげて名称になったもの。
   ・ Plan(計画)-----まず、しっかり計画を立てること
   ・ Do(実行)-----計画を実際に実行すること
   ・ Check(確認)-----計画どおりに実行できたかどうかを確認すること
   ・ Act(改善)-----反省や教訓を生かして 次の計画に繋げること


その「PDCAサイクル」を 学校改革に応用して、成功した例があります。

かつて、様々な問題を抱えていた 大阪市内の公立中学校で、
学校の立て直しに奮闘した体育教師がいました。
『本気の教育でなければ子どもは変わらない』(旺文社刊)
の著者としても知られている 原田隆史先生です。
生徒達と一緒に 目標管理とその分析を徹底して繰り返し、
「心・技・体」の生活面から 学校を変えていったそうです。
その結果、その陸上競技部が7年間で13回も日本一を達成するなど、
全国でも指折りの有名校になったのでした。

その原田先生が、こんなことをおっしゃっていました。
「じつは 『PDCA』 の後に、もう一文字が必要なんです。 『S』 です…」

それは、「Show」の頭文字の「S」だそうです。
「Plan」「Do」「Check」「Act」、そしてその後に「Show」と続くのだといいです。
「うまくいったこと」や「失敗したこと」を自分だけの反省に留めるのではなく、
自分の次に続く人達に教えてあげること、…それが「Show」だというのです。

「自分がうまくいけば それでいい!」 というサイクルでは、
ただそれだけの意味しかありません。
でも、自分の貴重な経験を誰かに伝えることで、
たとえば、そのノウハウが後輩達にも活かされていくとしたら、
それは、ものすごく大きな価値を持っていくのだと思います。


さあ、あなたも後輩達のために 「S」 を実践してみませんか?

今年も、パスナビでは「大学生レポーター」を募集しています!
2010年4月から大学に入学される皆さまを対象として、
『大学受験パスナビ』 や 雑誌『螢雪時代』 などを通して
後輩の皆さまに向けて「合格体験記」などを発信していただきます。

レポーターとしてお願いすることは…
 
● 「合格体験記」の執筆
 ● 大学生活のレポート
 ● 簡単な「アンケート」への協力    …などがあります。

それぞれの企画や時期に応じて、
執筆のご依頼をさせていただくことになります。
ご応募いただいた皆さまのなかから、
パスナビ編集部&螢雪時代編集部で選考させていただき、
正式な「大学生レポーター」となっていただきます。
(採用決定の方には、後日、あらためてご連絡をさし上げます)
ご応募は一人1回のみ有効です。


これから私達と一緒に「パスナビ」を盛り上げてくださる方、
首を長くしてお待ちしていますよ!
  ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ 
2010年『パスナビ』大学生レポーター応募ページ

 ※ この応募ページは、2010年4月17日まで設置しています。





( ツ )

2010-3-2

【パスナビ】 島田洋七さんと…

「おはようございまーす!」 という 大きな声とともに登場した。
朝から元気いっぱいの人である。

先日、パスナビのインタビュー取材で、島田洋七さんとお会いした。
漫才師、タレント、作家、講師、…いろいろな顔を持つ。
昭和世代にとっては漫才コンビ「B&B」の印象が強烈だが、
平成世代には『佐賀のがばいばあちゃん』の印象のほうが強いかもしれない。

「ジェットコースターのような人生」と、よく例えられるが、
これほど人生の「浮き沈み」を繰り返している人も珍しいと思う。

島田さんは、幼少期からの極貧生活を抜け出すために、
自分の「しゃべり」で勝負しようとお笑いの世界に入った。
やがて漫才ブームのパイオニアとして、お笑い界の頂点に君臨。
しかし、漫才ブームが去るとメディアでの露出度も急降下。
それでも、今度はタレントとして活路を見い出した。
多くのバラエティ番組の司会をこなしていたが、
やがて番組改編なども重なって、お茶の間から姿を消してしまう。
すると今度は、自分の半生を描いた小説『佐賀のがばいばあちゃん』を執筆。
それがクチコミで売れ始め、とうとう大ベストセラーに…。
しかし作家活動だけに留まらず、今まで4,000回以上の講演活動をこなす。
その後も、監督業、演出業、俳優、…と次々に新しい道を切り開いている。

不思議なのは、こんな波乱の人生を歩んでいながら
島田さんは、じつに あっけらかんとしていることだ。(失礼…)
つまり、人生の苦渋が顔に滲み出る…なんてこともなく、陰気な部分がない。

島田さんは売れていなかったときでさえ、その状況も楽しんできたという。
芸能界というところは、とくに人間の本質が露骨に出る世界でもある。
売れているときは皆がチヤホヤするのに、
売れなくなった途端に、多くの人が手のひらを返したように冷たくなる。
それは、島田さんが身をもって体験したことだそうだ。
でも、また売れ出すと、急に再び多くの人がすり寄ってくる。
現金な人間は、どこにもいるものだ。
「でも、そこで落ち込んだり怒ったりするなんて、当たり前すぎて面白くない」
と島田さんは言う。
売れているときだけ友達面してくる現金な人達に対しても、
怒らずに
「久しぶりやなぁ!」 と、笑い飛ばしてやればいいのだと言う。
そんなことで怒ったって 誰もハッピーにならないから、という理由である。
「たしかに そのとおりだ」と、おもわず頷いてしまう。

島田さんのお話を聞いていたら、ひとつ疑問が浮かんだ。
そもそも 人生の「勝ち組」「負け組」って、なんだろう?

「サクセスストーリー」や「転落のドラマ」で、人生は単純に片付けられない。

たとえ何かに失敗したところで、「負け組」にはならない。
なぜなら、生きているかぎり、チャンスは何度でも作れるからだ。
人生における失敗は、ほとんどの場合、リカバリーが可能だ。
だから、人生の浮き沈みや周囲の態度の変化にも一喜一憂せず、
それさえ楽しんでしまえばいい。
そして、あとはマイペースにコツコツと、自分の道を進んでいけばいいのだと思う。


島田洋七さんへのインタビューを『高校受験パスナビ』に掲載しています。
ぜひご覧ください。
島田洋七さん自筆の パスナビ読者へのメッセージをクリック!
        ▼ ▼ ▼ ▼ ▼

2010-2-26

【パスナビ】 千羽鶴

今でこそ「国際交流センター」を設置している大学や地方自治体は多いが、
1970年代にはまだ「国際交流」の意識そのものが、定着していなかったと思う。
地方都市では 外国人が道を聞くと、たいていの日本人はあわてて逃げてしまう。
まだ そんな時代だった。


その頃、愛知県内の小さな街に、レオナルドさんというアメリカ人が来日した。
カントリーミュージックが好きだという、陽気なビジネスマンだった。
全く馴染みのなかった東洋の国「JAPAN」に、突然、転勤になったという。
しかも「TOKYO」や「KYOTO」のような大都市ではなく、
今まで聞いたこともないような街に住むことになったのだ。
日本語は全く話せない。
もともと知り合いが日本にいたわけでもない。
でも、「持ち前の明るい性格で乗りきれる」 と前向きに考えることにした。

日本の生活に慣れてきた頃、体調の異変に気づいた。
慣れない国で暮らすストレスのせいだろう、と思っていた。
当時、ボランティアとして外国人の世話をしていた みちる先生は、
レオナルドさんのことを心配して、病院に連れて行った。
その精密検査の結果は、あまりに衝撃的なものだった。

末期癌だった。

「なぜ、俺だけこんなひどい目に遭うのか…」
それまで涙など人に見せたことのなかったレオナルドさんが、
「日本に来たことを後悔している」 と みちる先生の前で 泣きくずれた。

みちる先生は慰めの言葉も見つからず、レオナルドさんにこんな話をした。
「日本には『千羽鶴』というものがあって、皆で力を合わせて折り紙で鶴を
 千羽折ると、病気が治ると信じられている…」

けれども、「俺にはそんな沢山の友達もいない」 とレオナルドさんはうつむき、
「身の回りを整理して、できるだけ早くアメリカに帰りたい」 と告げた。

みちる先生は、教えていたクラスで生徒達にレオナルドさんの話をして、
「レオナルドさんが帰国するまでに、皆で千羽鶴を作ってみない?」 と提案した。
生徒達の反応は鈍かった。
それでも、大半の生徒が渋々ながらも 鶴を折り始めた。

しかし、合計で300羽を越えたあたりから、なにかが少しずつ変わり始めた。
今まで人と話せなかった内気な生徒が、率先して鶴の折り方を友達に教えていた。
勉強が嫌いで机に向かわなかった生徒が、夢中で鶴を折り始めていた。
休み時間も惜しんで折り鶴をする生徒が、しだいに増えていった。
誰の鶴が綺麗だとか、何羽折ったとか、生徒達の話題の中心も変わっていった。
やがて生徒達がその家族に伝え、保護者や兄弟姉妹までが折り鶴に加わった。
夕食後に一家でテーブルを囲んで、折り鶴をする家庭まで出てきた。
「レオさんのツル」 という合言葉が、どんどん広がっていった。

レオナルドさんが帰国する日。
両腕で抱えきれないほどの、数千羽の折り鶴が彼に手渡された。
「やっぱり俺は、生きているうちに日本に来られてよかった」
彼が残したのは、感謝の言葉だった。

その後まもなくして、レオナルドさんは故郷のミズーリ州で亡くなった。
しかし、この 「レオさんのツル」 の一件がきっかけになって、
愛知県の学校とミズーリ州の学校の交流が始まった。
地域の外国人の生活を支援する体制も、出来上がっていった。

「国際交流は、大きく構えるものではなくて、いつでも誰でも気軽に始められるもの」
それが、みちる先生が教え子達に伝える言葉のひとつである。


英語教育と日本語教育にたずさわり、
国際交流のボランティアとして
草の根的な活動を続ける、
みちる先生のパスナビオフィシャルブログが
始まりました。 ぜひご覧ください。
  ▼ ▼ ▼ ▼ ▼







(いけまる)

2010-2-22

【パスナビ】客員教授に、この有名人が…

「客員教授」と呼ばれる先生には、意外な有名人がいたりします。

たとえば、「音楽プロデューサー」の …というより「ユーミンのだんなさん」
と紹介したほうがピンとくる方も多いかもしれない 松任谷正隆さんは、
2009年10月から東京工科大学の客員教授に就任しています。

そのほか、こんな有名人の「客員教授」もいます。
(すでに任期が終了している方もいるかもしれませんが ご容赦ください。)

≪ 以下、順不同・新字体表記 ≫

・ 北野武さん ・・・ 東京芸術大学
・ 弘兼憲史さん ・・・ 山口大学
・ 浅野温子さん ・・・ 国学院大学
・ 川島なお美さん ・・・ 広島国際学院大学
・ ガッツ石松さん ・・・ 広島国際学院大学
・ 広瀬香美さん ・・・ 福岡女学院大学
・ 釜本邦茂さん ・・・ 京都文教大学
・ 片山右京さん ・・・ 大阪産業大学
・ 唐十郎さん ・・・ 近畿大学
・ 桂三枝さん ・・・ 関西大学函館大学
・ 浦沢直樹さん ・・・ 名古屋造形大学

これはほんの一部です。
まだいろいろな大学に意外な「客員教授」がいますよ。

そもそも「客員教授」って、どんな先生方なのでしょう?

「客員教授」とは・・・
正式な「教授」ではありませんが、大学が外部から優秀な人材を一定期間だけ
招くときに用いられる職位や称号のことです。
といっても、客員教授の任期や選考基準は法律で決められているわけではなく、
大学によってまちまちです。


ちなみに、武田鉄也さんは福岡教育大学の「特命教授」です。
じつは、この「特命教授」という職位も、大学によって定義がバラバラです。
大学や学部が何かの目的のために雇用した先生につける大学もあれば、
定年後に再雇用した先生につける大学もあるようです。

いろいろな種類の「教授」がありますね。

ところで、「漫画家」兼「教授」の有名人も結構多いです。
最近、さまざまな大学での漫画関連のコース・専攻が拡大していて、
教授職に就く漫画家も急に増えてきました。
さすが、漫画大国ニッポンですね。

何人か挙げてみましょう。
ちなみに、こちらはそのまま「教授」です。

・ 竹宮恵子さん ・・・ 京都精華大学教授
・ 六田登さん ・・・ 京都精華大学教授
・ 池上遼一さん ・・・ 大阪芸術大学教授
・ 里中満智子さん ・・・ 大阪芸術大学教授
・ 永井豪さん ・・・ 大阪芸術大学教授
・ ちばてつやさん ・・・ 文星芸術大学教授
・ 加藤一彦さん(モンキー・パンチさん) ・・・ 大手前大学教授


どんな講義なのか、
ぜひ 受けてみたいですね。





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