2010-7-29

【パスナビ】理学部と工学部は、こう違う

パスナビ編集部には、いろいろな学部・学科の出身者がいます。
先日、そのパスナビ編集部全員で飲みに行ったときのことです。
「理学」と「工学」の違いについて、話題にのぼりました。

理学部出身者の説明では、
「理学は、人類の未知の分野に最初に踏み込んで、その結論を工学が利用する」
一方で、工学部出身者の説明では、
「工学は、理学での結論を、きちんと形にしてお金にできる」

なるほど…、それぞれ立場によって説明の視点も違うわけですね。
はたして、「未知を探究する理学」 と 「夢を形にする工学」、
どちらがより一層 「ロマン」があるのか… という議論にまで発展しました。

…もちろん、結論など出るわけもありません。
まあ、お酒の席でそんな議論で真剣に盛り上がることができるのも、
なんともパスナビ編集部らしい光景なのかもしれません。

さて、あらためて「理学部」と「工学部」の具体的な違いは何でしょうか?
おそらく高校生の方々にとっては、詳しく知っておきたい部分かもしれません。

理学部は、物理学や化学、生物学、地学(地球科学)、数学などの自然科学を
理論的・実験的に研究する学部です。
一般には、高校で学んだ数学・理科を基礎として、
専門化された先端分野の研究を進めることになります。
京都大学理学部長の吉川研一教授によれば、
「未知なる自然現象を解き明かすことで、文化や社会の進歩に貢献する学問」
だそうです。

一方、工学部は、自然科学を基礎に、
人間と社会に有用なものを作り出そうという学部です。
つまり、理学の成果を具体的な形にして、
実際に社会で役に立つ「ものづくり」をする学問です。
名古屋大学工学部長の鈴置保雄教授によれば、
「自然科学の原理や成果を形にし、人類社会の発展に役立てる学問」
だそうです。

現在、理学部は国立では大部分の大学に設置されていますが、
公立や私立では一部の大学にしか設置されていません。
多くの私立大学は、工学分野に理学分野を合体させて「理工学部」となっています。
これらに加え、生産工学部、基礎工学部、システム工学部などが、
さらに情報系の学部として情報科学部やコンピュータ理工学部が、
また、学科を再編した形で、基幹理工学部、創造理工学部などが設置されています。
なお、理学系の科目や専攻については、
学芸学部や教育学部、文理学部といった学部でも学ぶことができます。

「理学部」と「工学部」は、ある意味で 「似て非なる学問」 といえます。
志望する高校生や受験生の方々は、学ぶ内容をよく見極めたうえで、
自分に合った学問分野を選択しましょう!


京都大学理学部長・吉川研一教授のお話をパスナビで読みましょう!
   ▼
理学部の魅力って何?


名古屋大学工学部長・鈴置保雄教授のお話をパスナビで読みましょう!
   ▼
工学部の魅力って何?


理学部と工学部の詳しい違いは、このページで確認しましょう!
   ▼





 ( ツ )

2010-7-22

【パスナビ】将来の利益に結びつく学部?


「文学部に興味があるのですが、もっと将来のビジネスに結びつく学部を選んだほうがいいですか?」

受験生からこんなご質問をいただいたことがある。
理系の学部や経済・経営・法学部などに比べると、
文学部はビジネスと直接結びつきにくい、と考えたのかもしれない。
不況の影響からか、大学卒業後の就職のことまで視野に入れて、
学部・学科を選ぶ受験生がかつてより多くなっているように感じる。

でも実際の社会は、いろいろな学部・学科の出身者で構成されている。
必ずしも大学で学んだ専門分野の仕事に就いているわけでもない。
このパスナビ編集部も、各スタッフのバックグラウンドは様々である。
理系もいれば、文系もいるし、出身大学や学部もバラバラである。
それでは、大学で学んだことが無駄になったのかといえば、そうではない。
むしろ、大学で学んだことが今の仕事の土台になっていると感じている。
大学で学んだことは社会に出たとき、どんな意味を持つのだろうか?
同志社大学文学部長の山田史郎教授は、
社会で大学卒業生に求められている能力は「専門知識ではない」と断言されている。
つまり、社会で求められるのは単純に知識や技術ではなく、
その学問を通して得る「問題発見解決能力」だという。

「問題発見解決能力」とは、
現実を把握し、そこにどんな問題があるかを理解し、
そこから解決策を発見して、提案して、実行できる能力のことだという。
たとえば歴史学でいえば、
年号や人名などを覚えるのが高校までの「歴史」の勉強。
大学での「歴史学」は、「その事件の意味は何だったのか」というところまで掘り下げて、
文献などから科学的・論理的にアプローチしていく研究である。

大学での「文学」も同様で、高校までの勉強とは違う。
作品名、作者名、物語の筋書きなどを覚える勉強ではない。
その背景にある事象がなぜそうなったのかを読み解いて、
文化や人間の心理や社会の根源的な問題にまで迫るのである。

つまり、(私なりに勝手に解釈すると)大学では専門分野の研究を通じて、
いわば、この世界の深層部分を理解するのだと思う。
それぞれの専門分野から人間や社会の本質にアプローチすることで、
現実にどのような課題があって、どう解決していけばよいかまで考える。
そこで鍛えられた解決能力が、将来、働くときに武器になるのだと思う。
選んだ学部によって、将来のビジネスがうまくいくかどうかが決まるわけではない。
その学問を通じてどのような「問題発見解決能力」を高めるかで、
将来のビジネスに結びつくかどうかが決まるのではないだろうか?

学部・学科を選ぶポイントは、「どのような専門分野から自分を磨いていきたいか」なのかもしれない。



同志社大学 文学部長 山田史郎教授のお話はパスナビで読もう!
   ▼
「文学部の魅力って何?」








(いけまる)


2010-7-14

【パスナビ】バランス感覚

アメリカのビジネス界では、成功する要素として、
「sense of balance(バランス感覚)」 が必要だといわれているそうです。

この場合の「バランス感覚」は、様々な意味で使われます。
例えば、「メリット」と「デメリット」。
この両方を客観的に考えて判断できるか、といった感覚を指すこともあります。
あるいは、「表」と「裏」、「内部」と「外部」といった両極を指すこともあります。
いずれにしても、相反する2つのどちらにも偏ることのない感覚が 成功の秘訣だというのです。

「受験勉強でも、この 『sense of balance』 が必要だ!」
と説くのは、受験界のカリスマ的存在として『螢雪時代』の特集記事などでも
おなじみの安河内哲也先生。
勉強は「インプット」と「アウトプット」のバランスが大切だと主張されています。

この場合の「インプット」とは、頭に情報を入れること、例えば「覚える」ことを指しています。
そして「アウトプット」とは、「問題を解く」とか「考える」ことを指しています。

つまり、覚えるだけで実際に問題を解かないと、実戦力が身につかず、
実際の入試本番でうまくいかないのだそうです。
逆に、何も基礎を覚えずに問題ばかり解いていても、学力は上がらないとのこと…。
「インプット」と「アウトプット」のバランスがとれて、初めて学力に結びついていくわけですね。

それでは、どのくらいの割合が最もバランスがよいのでしょうか?

安河内先生は、『螢雪時代8月号』の対談のなかで、
「『インプット』と『アウトプット』は、3:1 ぐらいの割合がいい…」とおっしゃっています。

つまり、受験勉強では「覚える」ことに重点をおくべき、と指摘しているのです。
まず基礎を固めることに注力したほうがよい、ということですね。
大学によって割合は違うものの、入試では基礎力で解ける問題が約6割、
そして2割が基礎知識をもとに考えれば解ける応用問題だといいます。
とくに夏休みが終わるまでに、基礎力で解ける6割の部分を
しっかり確保しておくことが大事なのだそうです。
そうすることで、秋以降に応用力で解く残りの2割の部分に取り組めるわけです。
合格ラインが約7割とすると、難易度が高すぎる問題については
あえて 「解けなくても問題ない!」 と安河内先生はズバリと言ってしまっています。

ところが実際には、土台となる基礎がインプットされないうちから、
やみくもに過去問などを解きたがる受験生が多いといいます。
少しでも早く入試問題に取り組みたいという気持ちは痛いほど理解できますが、
あせらずに、過去問は基礎を固めてから研究したほうが効率的かもしれません。

ところで、「アウトプット」は「問題を解く」ことだけではありません。
ノートなどに「まとめる」という作業も指しています。
「まとめを作ることは、時間の無駄になってしまうのでは?」
と感じている方もいるかもしれません。
でも、覚えたことをまとめるのは、「インプット」された情報を整理することなのです。
情報が頭の中で整理されると、初めてそれを応用して使う体制が整います。

近年の入試では、頭の柔軟性や論理性を求める問題が増えてきています。
覚えたことを自分なりにまとめることで 理解が深まり、
基礎を応用して解く入試問題にも対応できるようになるわけです。

夏は「受験の天王山」と呼ばれています。
受験生にとって、夏休みをどう過ごすかが 合否の大きな分かれめになるからだそうです。

パスナビ読者の皆さんには、「インプット」と「アウトプット」のバランスを上手にとりながら、
この夏、大きく飛躍していただきたい…と心から願っています。


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2010-7-5

【パスナビ】この季節のスランプに要注意!


ほとんどの受験生は、一度は「スランプ」を経験するようです。

  ※ スランプ …… 原因が分からないまま、成績などが一時的に落ちこんでしまう状態。

『螢雪時代』のアンケート調査によると、
大学合格者の約77%が「受験で精神的に追いつめられた」と回答しています。
「成績が伸びない」「自信が持てない」「学習が予定通りに進まない」…
精神的に追い詰められた理由は人それぞれ違うようです。

とくに、夏になる直前のこの時期は要注意。
精神的にも「つらい」と感じる受験生が多いそうです。
なぜでしょうか?
夏休み前といえば、時期的にも焦りを感じ始める頃だからでしょうか?

じつは、原因はそれだけではないようです。

たとえば、空がどんよりと厚い雲に覆われる日が続くだけでも
気持ちがふさぎやすくなる、という経験はありませんか?
体に浴びる光量と心理の間にも、密接な関係があるといわれています。
雨が多いときは、つとめて自分を前向きにする必要があるかもしれません。

でも、この時期の不調に最も影響を与えているのは、
気温、気圧、湿度の変化が大きいことだと考えられます。

人間の体温は常に36~37度に保たれています。
これがわずか1~2度上がるだけでも体調が崩れます。
人間の体は、精巧な機械よりもデリケートなのです。
気温が急に上がったり下がったりするこの時期、
また、冷房を稼動し始めて、暑さと寒さの差に慣れていないこの時期、
体温調節がうまくいかなることも多くなるわけです。

また、気圧と体調には深い関係があるといわれています。
「高山病」は低酸素と気圧の変化で体内のバランスが崩れることが原因ですが、
同じ場所にいながら、気圧の差で「高山病」に似た症状が出ることがあります。
とくに体の抵抗力が落ちているときは、少しの気圧の差で体調が悪化します。
頭痛、喘息、神経痛、メニエール病、結石などは「気象病」とも呼ばれていて、
気圧の変化によって悪化することも多いそうです。

湿度も重要な要素です。
「不快指数」という指標がありますね。
1957年にアメリカで考案された「蒸し暑さ」を示すものですが、
もともと人間の体は「高温多湿」に適していないために「不快」を感じるそうです。
内臓から皮膚に至るまで、水分は
汗や尿などを通して細かく調整されています。
しかし、「高温多湿」の場合は水分の蒸発が阻害されることから、
体温や体内の水分量の調節が狂ってしまい、
新陳代謝が悪くなって、
結果として自律神経のバランスも崩れやすくなるのです。
体が重く感じる、疲れやすい、頭が痛い、おなかの調子が悪い、眠れない ……
こうした症状は、じつはそのバランスが崩れている証拠でもあります。

体調不良は、すぐに心理面にも波及していきます。
「集中力が続かない」「頭が働かない」など、勉強にも影響が出て、
いつの間にか「スランプ」に陥ってしまうと考えられます。

ですから、この時期はたとえ「うまくいかない…」と思っても、
必要以上に自分の不甲斐なさを責めてはいけません。
もしかすると、その調子の悪さは「季節のせい」かもしれないのです。

そこで、今日はこの時期の体調管理のコツをお伝えしておきましょう。
といっても、特別なことをするわけではありません。
あたりまえのことを忘れずにやることで、体の抵抗力を維持するのです。
この時期に抵抗力をつけておかないと、
もっと暑くなったときには「夏バテ」…なんてことになりかねません。

抵抗力を高める基本は…
  ・水分を十分にとること
  ・食事を抜かずに食べること
  ・睡眠をしっかりとること
  ・お風呂で汗を出すこと
  ・できるだけ運動にこころがけること

「運動といわれても、受験生にはなかなか運動をする時間がない!」
という場合でも、
ストレッチをしたり、できるだけ早足で歩いたりなど、
こまめに体を動かすことが重要なポイントです。

受験も体が資本ですから、健康に気を配りましょう!




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