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【パスナビ】 白髪のランナーから学ぶ

先日、地元のマラソン大会に出場したときのことです。

スタートしてすぐに、前方に白髪のランナーの姿を見つけました。
市民マラソンでは、こういうシニアの方も大勢参加されますから、
それ自体はべつに珍しいことではありません。

でも、その人に関しては、どうも様子がおかしいと感じました。
肩を左右に大きく揺らして、ふらつくように走っています。
そんな走り方のランナーは、今まで見たこともありません。
マラソン初心者のご老人なのだろうか、と思いました。
途中で倒れなければいいけど…、と心配しながらも、
非情にも私はその人を追い抜いていったのでした。

この日の大会は、中盤からデッドヒート。
周囲のスピードに引きずられて、私は完全に自分のペースを崩しました。
ゴール数キロほど手前で、すでに消耗しきっていました。

そのときでした。
私の後ろから、サッ サッ サッ サッ ・・・・ と、
リズミカルに追い抜いていく人がいました。
肩を左右に大きく揺らす独特の走法。
なんと、スタート直後に追い抜いたあの白髪のランナーではありませんか!

いくらなんでも若いほうが負けるわけにいきません。
私は無理して加速して、必死に追いつこうとしました。
けれども、もう息が続かず、追いつけません。
その人の後ろ姿は、しだいに私から遠ざかっていったのでした。

ゴールの後にその人を見かけ、私は思わず声をかけました。
「あんなに速く完走できる秘訣って、なにかありますか?」
という私の質問に、
「べつに、人より速く走ろうとしているわけじゃないから」

と、その人から あっさりと返されました。
・・・ なんだ、少し冷たい性格のご老人だったのか、と思いきや、
その人は私のほうにきちんと向き直って、こう続けました。

「まわりに流されて走ったら、きっと途中でダメになるから、
 
ただ自分に対して、ねばるだけ」

なるほど、ねばって競う相手は他人ではなくて、
他人に流されそうになる自分自身の弱さ。

たしかに、そういう状況は私の経験上、
マラソンだけにかぎった話ではありません


たとえば、試験会場でも周囲の人達と競うことを意識しないで、
自分自身と向き合って、とにかくねばってみたら、
案外、落ち着いて最後まで集中できるのかもしれません。







(ジョグパンダ)

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