【パスナビ】作家の榊邦彦先生に聞いた編集ウラ話
先日、パスナビの企画の打ち合わせで、作家の榊邦彦先生とお会いした。
『100万分の1の恋人』 『もう、さよならは言わない』(いずれも新潮社刊)の
作者といえば、ご存知の方も多いかもしれない。
とくに 『100万分の1の恋人』は、台湾や韓国でも翻訳出版されている。
難病患者の父親を持つ「ミサキ」と「僕」の純愛と葛藤を描いたストーリーで、
2006年に「第二回新潮エンターテイメント新人賞」を受賞した名作である。
じつは、この榊先生には「作家」とは別の顔がある。
都内の有名私立高校の教諭として教壇にも立っている。
また、本名「神田邦彦」の名で以下のような参考書等の執筆も行なっている。
・ 『 中学総合的研究 国語 』(共著・旺文社刊)・ 『 超スゴ速古典文法50 』(旺文社刊)
・ 『 ミラクル古文単語396 』(旺文社刊)
だから、旺文社としては「神田先生」とお呼びしたほうが自然かもしれない。
その神田先生から編集者との様々な裏話を聞いた。
一般的に「出版社の編集者」というと、
作家の横に付いて「先生、早く原稿を書いてくださいよー…」と
もみ手でグチグチ言うシーンが ドラマなどでもよく出てくるが、
実際はそんな単純な仕事ではない。
作家の先生と一緒になって作品を練り上げていく地道な作業の連続で、
そのためには、クリエイティブな才能と情熱が求められる。
「たとえば…」と言って、神田先生はこんな例を示した。
ある日、作品の中のバンドメンバーをどんなキャラクターにするか、
先生と編集者は、夜遅くまで様々な意見を出し合っていたという。
やがて編集者の唐突な一言から、先生の頭の中でイメージが広がったそうだ。
「リズム感がない太ったドラマーがバンドにいたら…?」
編集者が先生と一緒に作品に深く入りこんでいった結果、
味のあるキャラクターが生まれた瞬間だった。
また別の作品では、登場人物から見た情景描写について、
ある日、編集者から先生にこんな連絡が入ったという。
「作品に描かれた地点からはその情景が見られませんでした。
もう一区間、車で走った場所からであれば、見られます…」
もう一区間、車で走った場所からであれば、見られます…」
編集者は登場人物の動線を、もう一度作品通りに辿って確認したのかもしれない。
作家は、自らの記憶や感覚で作品を創造していく。
その校正や検証は、編集者の腕にかかってくるといっても過言ではない。
その積み重ねによって、作品がリアリティを持つかどうか 決まってくる。
作品を最高の形で完成させるために働くのが、編集の仕事かもしれないと感じた。
現在、就職活動をしている大学生は多い。
弊社の会社説明会も、沢山の学生の皆さんにご参加いただいている。
「編集希望」という皆さんも、その他の職種を希望される皆さんも、
ステレオタイプではない情報で、未来を選んでいただきたいと願っている。
パスナビでも4月から神田邦彦先生との企画を展開していく予定です。
乞うご期待!
(いけまる)
コメント