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【パスナビ】「チーム医療」の時代


日常生活のなかではそれほど意識していなかったのに、
身内などがお世話になって初めてその価値に気づく。
いざとなると、生きていく上で必要不可欠なもの。
医療とは、まさに人間にとって酸素のような存在だと思う。

日々粛々と業務が遂行されている医療現場。
その現場の方々の仕事ぶりを拝見して気がついたことがある。
各自の役割や行動は、驚くほど細かいところまで仕組み化されている。
おそらく病院によって度合いは違うと思うが、
それぞれの人の動きは合理的でありながら事務的ではない。
たとえば、分刻みのスケジュールで時間に追われながら飛び回っているなかで、
弱気になっている患者の手をさすりながら話しかけている看護師を見た。
そこには、マニュアルだけにとどまらない専門家としての姿があった。
医療現場の主人公は医師だけではない。

「チーム医療」という考え方が、近年になってますます重要視されてきている。

かつての医療現場では、医師が絶対的な存在だった。
そのような環境では、それ以外の医療スタッフが主体性を発揮できない。
最も効率的な医療環境を追求していくなかで、「チーム医療」という医療モデルは生まれた。
医師とその他の医療従事者の関係を 主従関係ではなく水平にすることによって、
お互いが対等な立場で行動できる環境にするという考え方である。

自治医科大学看護学部長の水戸美津子教授は、「チーム医療」についてこう説明されている。
「決して看護師など医療専門職の地位の向上だけを目指したものではありません。
 たとえば病院においては、患者さんの栄養状態が悪ければ管理栄養士が、
 リハビリの段階ならば理学療法士や作業療法士が、
 薬物治療がうまくいかなければ薬剤師が、
 それぞれリーダーシップを発揮して助け合うのが本来のチーム医療です…」

つまり、チームの中心には常に患者がいて、
医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、薬剤師、…など
治療に携わるすべてのスタッフが患者を取り囲むように情報を共有し、
それぞれが主体的に専門性を発揮できるようにするということである。

また、この場合の情報共有とは、医師とそれ以外の医療スタッフの壁を取っ払うだけではない。
医局どうしの壁をなくすことも含まれる。
たとえば、内科と外科が情報を共有することによって、
患者にとってさらに効果的な治療が実現できる可能性もある。

世界からみると、日本は「チーム医療」の浸透が比較的遅いという印象があった。
もともと医師の力量にすべてを任せる文化があったのかもしれない。
しかし、がん治療などの先進的な分野では「チーム医療」が すでに現場で実践されつつある。

日本の医療環境は、これから大きく変わっていくと予測される。
医学や看護学を目指す人達に向けて、もう一度だけ繰り返し伝えておきたい。

これからの医療現場では、治療に関わる一人一人が主人公となる。



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 (いけまる)

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