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【パスナビ】 奨学金のルール


大学進学に必要なものは「学力」だけではありません。
露骨な表現ではありますが、「お金」も必要になってきます。
入学金、授業料、施設設備費、そして下宿の場合は住居費、…などなど、
入学前から卒業までいろいろとお金はかかります。

文部科学省の調査によると、大学の初年度納入金は、国立大学で約82万円、
私立大学の平均が文系学部で約123万円、理系学部で約165万円となっています。
また医学部や歯学部ともなると、約900万円に跳ね上がることもあります。
それに対し、アメリカの州立大学で約57万円、イギリスの国立大学で約67万円、
ドイツの州立大学で約21万円、フランスの国立大学で約2万円、などとなっていて、
各国の社会構造の違いもありますから一概には比較できないものの、
日本の大学の学費が世界のなかでもわりと高額だという印象は否めません。

また長引く不況は、この経済的負担から受験生の進路にも影響を与えています。
例えば、受験生の志望の変化にも経済的理由が潜んでいます。
難関大学から中堅大学へ志願者が流れた2010年入試の出願傾向についても、
以前にこのスタッフブログでも取り上げました。【パスナビ】「譲れない一線」
「できるだけ浪人せずに、なるべく安い学費で、早く大学を卒業したい」
という考え方から大学を選ぶ受験生が増えていることを示しています。
また全国大学生協連の調査によると、仕送り「0円」で生活している下宿生も、
この40年間で初めて下宿生全体の10%を超えました。

このようなご時世において、「奨学金制度」はますます重要度を増しています。
日本学生支援機構の発表によると、合計で約111万人もの学生が
同機構の奨学金制度を
利用しているといいますから、
全国の学生の約3人に1人が利用していることになります。
同機構への奨学金についての全国からの問い合わせも急増しているそうです。
不況になる前と比較すると倍以上の問い合わせ件数があり、
月平均ですでに30万件を超えているといいます。
約3万人の無利子の奨学金の定員に対して、
その応募希望者は約14万人もいたそうです。
受験生にとって奨学金制度は今や必要不可欠な存在であり、
ますます拡充させていくべきだと思います。

しかし、ここで一つ懸念があります。
奨学金滞納者の存在です。
返還義務のない給付タイプの奨学金でないかぎり、奨学金は「貸与」です。
当然ながら、借りたお金は返還する義務があります。
ところが悲しい事実ですが、返還を延滞する人も増加傾向にあるといいます。

もし、経済的な理由で返済が困難な場合は、
その奨学金の窓口に相談すれば解決されることも多いそうです。
たとえば、返済がしばらく猶予される制度もあります。

ところが、何の連絡もなく延滞が数か月続いた場合は、
「ブラックリスト」と呼ばれる滞納者リストに入れられるそうです。
ブラックリストは各金融機関などと情報共有されていて、
将来的にカードやローンの利用ができなくなるなど、
社会生活にも支障をきたすことにもなるようです。
人生にとって大きな代償を払うことになりかねません。

しかし、だから仕方なく返済するというのは根本的に違う気がします。
奨学金の原資は、先輩達が頑張って返還してきたお金なのです。
先輩達の感謝や汗が詰まったお金で大学に行くことができたなら、
その感謝の気持ちとともに後輩達に繋げていくことが重要だと思います。
自分だけよければいいという考え方からはそもそも奨学金制度は成り立ちませんし、
一人のルール違反によって多くの後輩達の未来を潰すことにもなります。

奨学生とは、社会で活躍することによって後輩達の希望となり、
返還するそのお金によって次の後輩達を育てる存在です。
いわば、後輩達の目標そのものでもあると思うのです。

だからこそ奨学生の方々には、
ルールを守る芯の強さとプライドを持ち続けてほしいと、
応援する気持ちをこめて そう願います。


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