【パスナビ】今後の推薦・AO入試で問われること
大学入学者の40%以上が一般入試以外で入学する時代に入っている。
文部科学省の集計によると、2009年度の選抜方式ごとの大学入学者の割合は、
一般入試が55.5%、推薦入試が35.4%、AO入試が8.4%だった。
推薦入試やAO入試は、今や一般入試と並んで重要な「受験の山」である。
もともと推薦入試は、意欲のある優秀な学生を早めに囲い込むことを目的に作られた。
AO入試も、推薦入試と同様の目的で作られたものである。
1990年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスで全国に先駆けて実施された。
受験生の多様な能力や個性を評価できるという点が評価されて、年々拡大してきた。
「ゆとり教育」の影響もあり、「学力検査」を避ける傾向が一時的に高まったことも、
この追い風になったと考えられる。
AO入試の実施校はこの10年間で急増した。
2010年度は国公立大学で約42%、私立大学で約81%が実施するに至った。
しかし、推薦・AO入試については、今まで課題も指摘されてきた。
たとえば、入学者の基礎学力不足である。
一般入試の入学者との「学力格差」が大学の現場から聞かれるようになっていた。
また18歳人口の減少に伴う大学どうしの定員確保のための競争激化で、
AO入試の選考実施時期の過度の早期化も指摘されるようになっていた。
文部科学省が全大学に通知した『平成23年度大学入学者選抜実施要項』によると、
2011年から推薦・AO入試の規定が大きく変更される。
また、この規定変更を受けて大学側でも早急に対応を実施していくとみられる。
主なポイントは、以下のとおりである。
1.「基礎学力」重視への変換
要項では、各大学に「学力に重要な要素(基礎的・基本的な知識、思考力・判断力・表現力等、学習意欲)」の把握を求め、高校で履修すべき科目などの募集要項への明記を求めている。
つまり、基礎学力を把握するため、「各大学の検査(筆記、実技、面接等)」「センター試験の成績」「資格・検定試験等の成績」「高校の教科の評定平均値」の少なくとも1つを出願要件や合否判定に用いるべきとしているのである。
大学側がこれまでの「学力検査免除」の路線から「基礎学力重視」の路線へ、180度、方針転換を図ることが予測される。調査書や面接の点数化など、判定基準を明確にする大学も今後増えていくだろう。 しっかりした基礎学力をつけておくことが条件となる。
2.AO入試の「出願開始時期」に変化の可能性
要項では、AO入試の入学願書受付の開始を「平成22年8月1日以降」とされている。ちなみに、これまでは開始時期の制限はとくになかった。但し、この開始制限は受験料が発生しないエントリーについては言及されていない。したがって、AO入試のスタート時期が全体的に繰り下がるとは考えにくい。
しかし、夏休み前から募集を開始していた早期実施校の一部でエントリーや出願の期間を繰り下げることが予測される。
3.資格・検定の成績や学校生活に関する評価の重視へ
要項では、資格・検定の成績や部活動の実績などを具体的に記載できるよう、調査書の記入欄を改変することを求めている。
つまり、学校生活や部活なども真面目に一生懸命やってきたか、英検や漢検などの資格や検定で他の人と差をつけているか、自分の能力をしっかり伸ばしているか、といった点が評価にさらに大きく関係してくるとみられる。
入学者の基礎学力の確保が各大学にとっての命題になった今、
もはや推薦・AO入試は「学力での勝負を避けるもの」ではない。
むしろ、学力とともに資格や他の能力が問われることも多くなるだろう。
これからの推薦・AO入試で問われるのは、
基礎学力も含めて 「常に自分を磨いている学生かどうか」 なのかもしれない。
『大学受験パスナビ』の「パスナビ for Teachers」では、
2011年度の推薦・AO入試の変更点が掲載されています。
ご参照ください。
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(いけまる)
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