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【パスナビ】将来の利益に結びつく学部?


「文学部に興味があるのですが、もっと将来のビジネスに結びつく学部を選んだほうがいいですか?」

受験生からこんなご質問をいただいたことがある。
理系の学部や経済・経営・法学部などに比べると、
文学部はビジネスと直接結びつきにくい、と考えたのかもしれない。
不況の影響からか、大学卒業後の就職のことまで視野に入れて、
学部・学科を選ぶ受験生がかつてより多くなっているように感じる。

でも実際の社会は、いろいろな学部・学科の出身者で構成されている。
必ずしも大学で学んだ専門分野の仕事に就いているわけでもない。
このパスナビ編集部も、各スタッフのバックグラウンドは様々である。
理系もいれば、文系もいるし、出身大学や学部もバラバラである。
それでは、大学で学んだことが無駄になったのかといえば、そうではない。
むしろ、大学で学んだことが今の仕事の土台になっていると感じている。
大学で学んだことは社会に出たとき、どんな意味を持つのだろうか?
同志社大学文学部長の山田史郎教授は、
社会で大学卒業生に求められている能力は「専門知識ではない」と断言されている。
つまり、社会で求められるのは単純に知識や技術ではなく、
その学問を通して得る「問題発見解決能力」だという。

「問題発見解決能力」とは、
現実を把握し、そこにどんな問題があるかを理解し、
そこから解決策を発見して、提案して、実行できる能力のことだという。
たとえば歴史学でいえば、
年号や人名などを覚えるのが高校までの「歴史」の勉強。
大学での「歴史学」は、「その事件の意味は何だったのか」というところまで掘り下げて、
文献などから科学的・論理的にアプローチしていく研究である。

大学での「文学」も同様で、高校までの勉強とは違う。
作品名、作者名、物語の筋書きなどを覚える勉強ではない。
その背景にある事象がなぜそうなったのかを読み解いて、
文化や人間の心理や社会の根源的な問題にまで迫るのである。

つまり、(私なりに勝手に解釈すると)大学では専門分野の研究を通じて、
いわば、この世界の深層部分を理解するのだと思う。
それぞれの専門分野から人間や社会の本質にアプローチすることで、
現実にどのような課題があって、どう解決していけばよいかまで考える。
そこで鍛えられた解決能力が、将来、働くときに武器になるのだと思う。
選んだ学部によって、将来のビジネスがうまくいくかどうかが決まるわけではない。
その学問を通じてどのような「問題発見解決能力」を高めるかで、
将来のビジネスに結びつくかどうかが決まるのではないだろうか?

学部・学科を選ぶポイントは、「どのような専門分野から自分を磨いていきたいか」なのかもしれない。



同志社大学 文学部長 山田史郎教授のお話はパスナビで読もう!
   ▼
「文学部の魅力って何?」








(いけまる)


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